東京外国語大学欧米第一課程ドイツ語専攻
「コンピューターとドイツ語学習研究」(ヨーロッパ言語研究Ⅰ演習)
担当: 境 一三


「どいちゅはんぐまん」を使って


広島大学の岩崎先生がお作りになった単語練習ソフト「どいちゅはんぐまん」を授業参加者に使ってもらい,そこで考えたことをメールしてもらいました。自分の責任で参考にしてください。


『どいちゅはんぐまん』の感想

 ヒントが単語の大まかな分類のみだったので、長い単語の時は推測するのが難しかったです。勘がまったく当たらなかった時は少々やる気をなくしました・・。もう少しヒントがあったら良いのではないでしょうか?

 失敗した時の哀れな"Hilfe!"が緊張感を一気に笑いへと変えてくれてとても良かったです。


基本的に面白い教材ですが、結局初心者のためのものでしかなく、また学習すればするほど、飽きてきます。もっと色んな面でヴァリエーションアップさせることで、例えば語彙を増やす、また色んな分野からの語彙を扱う 等、その問題をカヴァーできると思います。先週、先生がおっしゃっていた、学ぶ目的ごとにコンピューター教材やメディアを使うべきだという考え方に賛成です。


6月25日の課題、ドイチュハングマンについて。

ヒントが与えられていないので、初心者ではなく、ある程度ドイツ語を習った学習者に向いていると思う。

実際に問題に挑戦したが、「首を吊られる前に答えよう」という気になるのでクイズ感覚で楽しく参加でる。また、正解すると、次の問題にどんどん進みたくなるため、学習意欲が高められると思う。

同じ文字数でも、複数の単語が当てはまるので、ヒントが付け加えられると良いと思う。例えば形容詞の項目で、正解が"kalt"ならば「気候に関する単語」というふうに付け加えると分かりやすい。そうでなければ"nett"や"fein"や"kurz"でも正解になる。


ハングマンについて

感想は、まずやってみて面白くて、これなら楽しんで勉強出来そうな気がした。岩崎先生の顔を載せているのにはビックリした。間違えると声が出たり、当たると拍手が聞えたり、おもしろい。これを作るのは大変だったろうなと思った。

ハングマンだったらクイズ形式なので面白いけれど、それだけではなくてこれを勉強する事により、ドイツ語の法則を覚えていけると思った。例えば、動詞だったら最後はenで終るとか、名詞でもeやrが多いなど。それからこのホームページでは名詞も数種類に分かれていて分野別になっているので当てやすくなっていると思った。この方式で出てくる単語は基礎的な物に限定するので初心者向けだと思う。難しい学術的な単語のハングマンをつくってもなかなか当てられないし、難しいと思う。だから基礎的な単語に限定して作るべきだと思う。それから、最後答えの単語が入っている文があってとてもいいと思う。ただ、これをやっただけでは単語は身につかないと思うので復習する事が大事だと思う。


(Deutsch ハングマンについて)

この前の授業では意外と必死になってやってしまいました。いかに絵を完成させないように単語をあてるか、ということで夢中になれるのだと思います。単語の練習というのは、わりと退屈なものが多い中で、学習者をひきこみやすいのではないかと思いました。また、自分の語彙力を総動員して推察していくので、普段使わないで忘れてしまうような単語も思い出したり、頭の中が整理されるのではないかと思いました。


ハングマンの感想

 思っていたより難しくて、なかなか正解を出せなかった。もう少し、ヒントがほしいと思った。

 単語を知っているからといって、ハングマンができるとは限らない。また、ハングマンができるからといって正しく単語を使う能力があるとは限らないだろう。つまり、ハングマンで使う能力と言語運用能力とは直接は結びつかない。ハングマンが語彙を増やすのに役立つだろうか。もうすこし、実際の使用例と対応を持たせるような工夫はできないのだろうか。単純で面白いゲームではあるが、やはりゲームの域を出ないように思う。


「どいちゅ・はんぐまん」をやってみて、最初は「これが何かの役に立つんだろうか」と思っていたんですが、やっているうちに、ちょっと考えが変わってきました。

【メリット】

自分の頭の中にある、無造作に覚えた単語を再び画面で再確認することによって、記憶した単語を整理できると思いました。

もし、まだ覚えていなかった単語の場合、その回のゲーム自体には意味が無くなってしまうけれど(この点がデメリットと言えるかもしれません。)

そこで出てきた単語を、その場で調べて覚えることによって、語彙を増やす効果もあると思いました。また、記憶の整理ということにも関連しますが、スペルの再確認もできると思います。スペルを間違って覚えていた場合、覚えなおすこともできます。

【デメリット】

そのゲーム性の単純さゆえ、使用者の飽きが早いだろうと思います。

ある程度、ゲームに楽しさを与えるため、教師の顔がはりつけてある所は評価できますが、それは使用者にゲームを始めさせるきっかけにはなれど、飽きさせないための機能は果たしていません。飽きさせないために、得点を設けるとか、何らかの方法で使用者を評価する機能を持たせるとかいったことが必要だと思います。

この事は、教育用ソフトに達成度を評価する機能を持たせるかどうか、といった問題とリンクしているような気がします。

あのゲームはレベル設定とかができるんでしょうか?

あるいは、教師側が設定した単語だけが出せる、とかいった機能はどうでしょう?

そのような設定ができた場合、学校の生徒に語彙を増やす目的でやらせることができると思います。


どいっちゅはんぐまんについて

感想:

無条件に楽しいと思います。

首をつられるか否かのスリルとサスペンスがたまりません。個人的には立て続けに5回くらい、絞首刑にしてしまいました。ごめんなさい。

普段、一番学習者の身近にいる先生がああいう形で出てくることによって、学習者の先生に対する親近感、そして、その先生が教えている外国語により親近感が持て、学習意欲があがるのではないでしょうか。

また、ウムラウトが出てくるときには、(例 KuehlschrankのU-ウムラウト)ウムラウトがバケて、正しく判定されない場合があるようです。

ターゲットとされる学習者層と効果:

初学者がドイツ語の単語に親しみ、語彙数を増やしたりすることには、効果があると思います。記憶の定着を図るには、語と概念をアナログ的に結びつけた状況で覚えようとすることが効果的と言われているので、このように視聴覚的なアプローチはよいと思います。どこまで定着するかは、学習者の能力や意欲に依存する点は多いとしても。もし可能であれば、正解を出したときに、AV的にその語を表わすことが、このソフトウェアでできうると、より効果的になるのではないかと思います。


課題:オンラインドイツ語ソフト「どいっちゅはんぐまん」についての感想と考えられる学習効果

 このソフトをある程度試してみて、まずは難しいという印象を得た。それは、与えられた文字数だけで単語を推測しなければならないからだが、学習項目の分類が少し大ざっぱだからだとも思う。何かしらの直接のヒントが出され、学習者がイメージを巡らしながら推測していくという過程がなければ、ただ単に単語を作っていくという作業に終始することになるのではと思った。しかし反面、間違えると人が吊られてしまうというビジュアルと音声は楽しいものであり、学習のモティベーションを保つ、高めるのに役立っていると思う。学習者自らが、好みの写真を簡単にはめ込めるようだとより楽しいのではないだろうか。

 学習効果としては、今現在のところ、それほど望めないのではないかというのが正直な感想である。最初は目新しさも手伝って、単語を当てるのに夢中になるが、逆にこれが続くと、ただ四角に文字をあてはめていく作業になり、単語またはスペルの練習にならないのではないかと思う。学習者は冷静になって、解答を得た後に単語のスペルと例文を覚えることが要求される。

 初学者にとっては、このゲームに夢中になることで、ドイツ語になじみ、ある程度は単語の規則性(形容詞の語尾など)を発見できるかもしれない。だが、名詞の性や複数形についての配慮はなされていないので、結局は、辞書等の他の媒体に頼らざるをえないと思う。

 ある程度試した限りでは、このソフトは単純なゲームの域を出ないという印象だが、可能性は秘めていると思う。今あるビジュアルのパターンを増やしたり、単語にネイティブによる発音やイラストを付加したりなどして、より五感に刺激を与えるソフトになりうる。また、単語だけでなく、文法や会話の練習問題にも応用できるものだと思う。


ハングマンについて

私は高校生のときに、留学生とハングマンをしたことがあります。詳しいことは覚えていないのですが、そのアルファベットの後に、このアルファベットが来るわけない、と笑われたことがありました。こういった、綴り字の感覚を養えるという点ではたいへん役立つと思います。また、あやふやなスペリングの記憶をより確定的なものにすることもできると思います。ゲームということから、楽しんで単語を覚えられるのが最大の利点だと思います。


今回の授業で初めて「どいちゅはんぐまん」をやったのですが、意外に熱中してしまう自分が(みんなも)ちょっとおかしかったです。「絵が出る」、「音が出る」などと自分のしたことへの反応があることで、人はついついこういうものにはまってしまうのだと思います。けれども、「問題に正解する(答えを当てる)」ということにばかり集中してしまい、せっかくその単語を用いた例文がでているというのに、それを読まずにどんどん次へ進んでしまったりすることがたびたびありました。「ドイツ語を学ぶ」ということを一番の目的とする場合にはあまり効率的な教材とは言えないかもしれませんが、「ドイツ語に慣れ親しみ、ドイツ語で遊ぶ」という意味ではとてもいいゲームだと思います。(実は今日も家でやってしまいました・・・。)また、この「どいちゅはんぐまん」は単語を一語一語考えていく形式をとっているので、覚えづらい単語を覚えるにはなかなか良い手段となってくれるのではないでしょうか。単語帳でただ暗記するよりも、実際「はんぐまん」でやった単語の方が記憶に残りやすいような気がします。

それから、先週のことになりますが、先生が紹介された英語の発音を学ぶ本には、たしか自分の発音をチェックできるお試し版CD-ROMみたいなものがついているということでしたが、それと同じようにドイツ語の発音を実際に学べて、自分の発音をチェックできるような教材はないのでしょうか?あったらぜひ紹介してください。


私は英語のHANGMANを小学生の時にやったことがあるのですが、いつも出来上がったHANGMANを見て、奇妙な気持ちを抱いていました。何故なら、HANGMANは人が吊るされた姿だったからです。子供ながらに、あれはちょっと残酷だな、と思いました。確かに、単語を当てるという動作自体は、単語の学習というよりは、ゲーム感覚でできて良いと思いますが、HANGMANの姿にはちょっと納得できないものがあります。

ゲーム感覚でできるこの問題は、楽しく学習できる方法で、肩の力を抜いてできると思うので、特に子供などに向いている気がしますが、そのためにはあの吊るされた人形は適していないのではないでしょうか。

また一つ疑問に思うのが、この学習方法でどれだけの学習効果があるのか、ということです。これは、単語を覚えるというよりは、単語を言い当てる作業になり、その言い当てる作業に重点が置かれてしまった場合、単語を覚えることにならない気がします。また、大人の学習に使うときは、「合理的」という面からみた場合、この作業は時間がかかる割には効果のほどが疑われてしまって、あまり向かないのかな、とも思います。

ただ、これは問題を解く側から見た視点であり、逆に問題を出す側になったら少し視点が変わってくると思います。

まず問題を出すとなると、当たり前ですが、その単語の文字構成を正しく理解していることが大事です。また文字を一つずつ当てはめていくことによって、それがさらに正確な知識となって構築されていく(復習のような感覚で)のであれば、さらにその単語の印象が問題出題者にとっては、明確になり、その後忘れないのではないのでしょうか。


この前の授業のハングマン、やったのは小6以来です。久しぶりにやってみて、結構楽しめました。

最初は、ただの文字遊びだから学習上たいした効果が得られないのでは?と思っていましたが、いざやってみると、かなり頭を使いました。文字をヒントに単語を連想しようとすることで、自分が本当にその単語を覚えているかどうかが分かると思います。だからどれだけ単語を知っているかを試すには、ゲーム感覚で試していくので、気楽に、そして学習に対する嫌悪なくできると思います。

ただ、気になったのは、登場する人を絞殺する必要があるかということです。例えば、積み木がだんだん崩れていくというものでもいいのではないでしょうか。

もしこのゲームを小さな子供がやるのであれば、ロープで首をくくるというのは少し刺激が強いのではないでしょうか。それに、子供に<首吊り=ゲーム的なもの>という印象を与えかねないと思います。

このゲームをやる対象が中学生ぐらいなら、冗談で済むかもしれませんが、それでも首吊りというのは、いい印象を与えないと思います。


Hangmannについて

*どんな意味があるか

・スペルに対する感覚(どんな組み合わせが多いか、子音と母音のつながりなど)が身につく

・ゲームとして楽しみながらスペルに注意を払えるようになる。

*どんな人向きか。

・初心者向き。アルファベットを覚えてから基本的な語彙を増やしている段階の学習者向き。

・最初は対象年齢は低いように感じたが、実際やってみたら大学生の私でもかなり楽しんでできた。

*どんな風に使えるか。

・個人で単語のスペル練習・強化としてやらせる。

・2人組でやり、どちらが早く当てられるか競争する。(→集中度が増す)

・答えが出た語をノートに書く/例文をノートに書き写したり声に出して読んだりする。

・長い時間をかけて一度にたくさんやるのでなく、短時間で毎回やる。小テストのような感じで。

*その他

・単語の意味や用法はほとんど関係がないのでここで正解した語が「身について」いるとは言い難い。ここでの学習はあくまでスペリングと一つの大まかな意味に止まるので物の名前の名詞は向くが動詞や形容詞などはあまり向かないように感じた。


どいちぇはんぐまんについて

 この教材の対象は、主に子供だと思いますが、子供に限らずドイツ語を楽しく学びたい初心者なら誰でも対象になると思います。英語の”ハングマン”も、以前どこかでやったことがあるので、けっこうメジャーなのでしょうか?

良いと思った点

・Hilfe, hilfe! と日常で使いそうな表現を、音声で直接学べる。

・ただ、単語をみながら意味を覚える方法だとすぐ飽きてしまうが、これはあきずに楽しく学べる。

・単語を学ぶだけでなく、その単語を用いた文章も学べるので、一石二鳥である。

あまり良くないと思った点

・『絞首刑』が題材になっているため、教育上あまり良くないのではないか。(他のものを題材には

 できないか?)

・出来上がった単語を発音したものも入っていればなお良いのではないか。

質問
どのくらいの単語数が入力されているのでしょうか。


今日ハングマンをやってみて思ったのが、初心者がやった場合はhelfeと叫ぶ代わりに、その単語の発音を発音してくれたら音もいっしょに覚えられるのでいいと思います。単語を覚えるときは耳から聞いた音を文字化するという作業(耳で聞いて紙に鉛筆で書く)をすれば効果的に単語が覚えれると思います。

あと、初心者向けの単語、500語レベル、1000語レベル、1500語レベルというように分かれていれば学習者もやりやすいと思います。

けれども、このハングマンだけではきちんとした単語の使い方はわかるようになるとは思いません。(名詞を覚えるのはいいのではないか?)


“ドイッチュハングマン”の感想など

 

すごく楽しんでできる教材で、実際自分も少しはまりかけているように感じた。でも、始めるときに全然手がかりがなく、適当にアルファベットを選んで始めるのにはちょっと抵抗を感じた。もし、絵や写真のような手がかりがあったら、それを手がかりにして、とまどうことなくできるのでは、と思った。あと、定冠詞がついていればもっと覚える上で役に立つのではないかと思った。


このオンラインソフト、「どいっちゅはんぐまん」と同じものを、僕はドイツに留学していた時に語学学校でやったことがある。

そのときはコンピューターを使ったものではなく、使っていた教科書のチャプターごとのボキャブラリーを覚えるために先生が前日にそのボキャブラリーを覚えることを宿題として、その確認のために授業の最初の時間を使ってこのゲームをする、というものであった。いっしょの語学学校にいた人たち(いろいろな国の外人で、日本人は僕1人だけだった)は、大体がドイツで生活するのに支障をきたさないためのドイツ語を学ぶことが目的で、ビジネスマンの奥さんや、高校生くらいの子もいた。レベル的には、ゲーテのMittelstufeと同じくらいである。

この教材を使って学ぶことができるのは、単語そのものはもちろん、言葉の中に隠された規則性が大きいと思う。たとえば、動詞であったら最後が-enでおわる、とか、s-hであったらほぼ100% cが間に入るなどのことである。よって、この教材はどちらかというと、初心者向きではないかと考えられる。この教材によって聞く力を養うことはできないが、5-6人でわいわいやりながら、かつ教師は「ドイツ語の動詞にはこういう規則がある」とか、そういうことを教えながらゲームを進めていくと効果は更にあがる。

ただ、問題として、日本の大学生がこれをやって、同じ効果が得られるかどうかは分からない。そのクラスの大きさなどにもよると思うが、大体の日本人の大学生は進んでしゃべろうとしないだろう。少人数制の、語学学校だったからできることだろうと思う。